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第009回『音声と音楽のミックス』

今回は音声と音楽をミックスするときの、ちょっとしたコツをご紹介します。まず図1を見てください。これは私がメインで使っているマルチトラック編集ソフトの画面です。上段の2トラックが音声。下段の2トラックが音楽です。そして、上がったり下がったりしているグラフの線みたいなものは、音量の増減カーブです。一番上にしたときが最大音量で、一番下にしたときは音が無くなります。この例では、まず音楽が流れて、次に音楽の音量が下がってから音声がスタート。音声が終わると再び音楽が大きくなって、その後はフェードアウトするものです。

さてこの様に音声と音楽をミックスしたマルチトラック編集をするとき、みなさんは図1の様な音量カーブを書いていませんか?「どこがおかしいんじゃい?」と突っ込まれそうですが、問題があるんですよ。とにかく完成品のmpegを聞いてみてください。音楽の出だしと、セリフが終わってら音量がアップする最後の部分が、やたら大きく聞こえませんか?どちらも数値的に最大音量は同じです。メーターも最大値は同じ位置を示します。

波形の最大値が同じなら、一般的に音声より音楽の方が大きく聞こえる。・・・これが今回のポイントです。

音声と音楽を同じ音量に設定した場合は、たいてい音楽の方が大きく聞こえてしまうという現象に見舞われます。それはなぜでしょうか?波形をよく見てください。音楽の波形がびっちり詰まっているのに対して、音声の波形はスカスカしていますね?人間の耳は平均的な音量が大きい方が、瞬間的なピークより大きく感じるという特性があります。そして音楽の場合は、音にパンチを効かせるとか、太い音にするとかいう理由で、できる限り大きな音に聞こえるように最初から調整(整音)されています。(音圧を高めるとも言う。)

ですから音楽と音声をバランス良くするには、音楽より小さく聞こえる音声を基準にして、音楽の方を少し下げてやる必要があります。図2をご覧ください。こちらは音声の音量はそのままですが、音楽の方を下げることでバランスを取っています。完成品を聞いてみてください。・・・音楽がガガーンと出ないので、ビックリしなくなったでしょ?

なお、音楽の種類や整音の状態によっては、逆に音声より大きく設定しないとバランスが取れないケースもありますので、自分の耳で確かめながらベストポジションを探してみてください。

ということで、また次回。
■音声と音楽のミックス

図1:音声(上段2トラック)と音楽(下段2トラック)を、最大音量を100%でミックスした場合。
完成品はこうなります。


図2:音声は100%音量で、音楽の最大音量を少し下げてバランスを取った場合。
完成品はこうなります。

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