今回は地味でありながら、整音の必需品。それでもって最も難しいエフェクトとされている、コンプレッサについて説明しましょう。 コンプレッサの働きをものすごく簡単に言えば、ピークを抑えて音量を平均化し、全体の音を大きく聞こえやすくするためのものです。ちなみにプロの間では、その効果のことを「音圧を上げる」と言います。今回も登場するのは「SoundEngine Free」。この素晴らしいソフトを使ってコンプレッションすると、処理前と処理後では劇的に音がデかくなります。 ところでコンプレッサの難しさというのは、いくつかあるパラメータの設定にあります。原音の状態を判断して、それにマッチした、微妙な設定をしなければならないんですよ。しかし、そんなことをしていたら、いつまでたってもコンプレッサ処理ができないので、ここではバカチョン方式で説明します。とにかくこのままやれば、音が大きくなります。 じゃやってみましょう!図に従って上から順に処理すれば終わり。ものすごく簡単でしょ?各図に付けたコメントとダブるので、ここでは説明を省略しますが、処理前の図3と処理後の図8を比べてください。違いは明らかですね?波形の密度が上がっているのがわかると思います。その密度の差が、音の大きさの差になって聞こえるわけです。 プリセット(SoundEngine Freeではライブラリと呼んでいる。)で一発処理というのは、プロの目から見るとちょっと問題アリです。原音の状態によっては、もしかすると良い結果が出ないかもしれません。しかしパソコンのスピーカーで再生する程度なら、少々のアラがあっても聞こえませんから、とりあえずやってみる価値はあると思います。 例えば声の提供者が自宅で録音したファイルを受け取って、オーディオドラマを制作している方がいらっしゃいますが、複数の出演者がいると音が違いすぎて掛け合いにならない・・・などで、苦労されていませんか?そんなとき、まずセリフを順番に並べて、一気にコンプレッサをかけます。デコボコがなくなるので、それだけでもかなり聞こえるようになるはずです。 え?そんなノウハウをタダで教えてもいいのかって? ご安心ください。私の整音技術はこんなもんじゃありません。何てったって腕と耳が違いますから。 ガッハッハッハ。・・・あううう、誰も誉めてくれないから、一度言ってみたかったのでありました。 ということで、また次回。 |