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第1回:デジタル時代のオーディオドラマ

オーディオドラマって何だかご存じですか?・・・この言葉がわからないと、この後読み進んでも意味がありませんから、一応説明しておきましょう。オーディオドラマとは、簡単に言えばラジオドラマのことです。おいおい、それならラジオドラマでいいじゃん!・・・と思いますよね?それがそうはいかなくなってきたんですわ。

そもそもラジオドラマとは、ラジオというメディアを使って聞くから、ラジオドラマなのであります。ところが、最近はドラマを配布できるメディアがラジオだけじゃなくなってきたんですよね。カセット、CD、MD、Web、などなど、色々な方法があります。とすれば、電波に乗せるわけでもないのに『ラジオ』と付くのは何か変じゃないか?

そこで約10年ほど前に、ラジオドラマに代わるものとして、オーディオドラマが登場したわけです。しかし法律で決まったわけではないので、今では様々な呼び名が使われています。例えば、音声劇・音声ドラマ・声劇・アフレコドラマ・サウンドドラマ・サウンドストーリー・ボイスドラマ、などなど・・・。まあこんな感じで乱立状態ですが、基本三要素である音声+効果音+音楽を組み合わせ、物語を進めて行くという手法はどれも同じです。

よっしゃ。それじゃあ手始めに基本に戻ってラジオでドラマを聞いてみよう。と、新聞のラジオ番組欄を見てみる。んなもん、どこにあるねん!(なぜか関西弁)・・・執筆にあたって、ラジオ欄を実際に探してみたんですが、ドラマって見つかりませんねぇ。NHK-FMのFMシアターと青春アドベンチャーぐらいですか。ラジオドラマは絶滅してはいませんが、根強いファンに支えられて公共放送を中心に、何とかがんばっているという状況です。商業的に採算が合わないという理由もあり、あまり元気だとは言えませんね。

実はオーディオドラマが元気なのは、ラジオ放送の中ではないのです。商業ベースで作られたものだけでなく、アマチュアや同人の作者がCDやインターネットを媒体として配布する作品が大増殖しているのであります。その大きな要因は、パソコンとインターネットの一般化です。

オーディオドラマ界に於いて、デジタル化の波は重要な意味を持っています。25年前に私は「オーディオドラマはマイク一本とテープレコーダーがあれば簡単にできる。」と言ってましたが、実際はちょっと凝ったものを作ろうとすると、編集がかなり難しい面がありました。

ところが現在では、「マイク一本とパソコン」があれば、ちょいとイケてる作品が簡単にできちゃうんですよねぇ。ドラマを作るためだけにわざわざテープレコーダーを買う気にはならないでしょうが、いつも使っているパソコンで録音も編集もできちゃうとなれば、敷居の高さがぐ~んと下がるわけです。やってみよう!という人が増えるのも当然ですね。

さて機材はこうして用意できたとしても、スタッフや出演者などが揃わなければドラマは作れません。また作ったものをどうやったら、多くの人たちへ配布できるのかが問題。そこでインターネットが威力を発揮するわけです。インターネットで人を集め、音楽・効果音を入手。作品を公開・販売し、さらにはリスナーの反応まで聞ける。私がドラマ制作を始めた時代と比べれば、まさに夢のような世界が実現したのです。

オーディオドラマの手軽さがデジタル時代にマッチし、聞く作品から、作る・参加する作品へ変化している気がします。私としては、オーディオドラマを作る楽しさを知るお仲間が増えるのはウエルカム!です。あちこちのサイトを訪問して、ドラマを聞かせていただいております。

でも、良いことばかりではありません。作るのが簡単なオーディオドラマ故に、落とし穴も数多く存在します。そのお話はまた次の機会に。

ということで、また次回。

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