見積依頼│お問合せ

narration@wis2.jp

第3回:脚本の書き方(その1)

概論が続いたので、ボチボチと具体的な内容へ突入しましょう。まずは脚本の書き方から。今回は「書式(フォーマット)」に着目してみましょう。

オーディオドラマの脚本は、絶対こうでなければならないという決まりはありません。読みやすい書式になっていれば、それでいいと思います。ただ、「こうやった方が読みやすい。」という経験的なノウハウがありますので、それをご紹介しましょう。

まずこれをご覧ください。(クリック
脚本の書式見本を作ってみました。B5サイズの用紙です。手書きが多いのは、単にパソコンの画面で書くのが面倒だったから・・・と言うか、ソフトの使い方がわからなかったので、鉛筆と定規を使って書いちゃいました。ま、あまりお気になさらない様に。それでは、書式見本の中に書いてある1~5の番号に沿って説明して行きましょう。

1.天(用紙のトップ)からの空き
用紙の一番上から6~7センチぐらい空けておきます。何だかすごく無駄な気がするかもしれませんが、このスペースは重要です。ここにはドラマを編集する際のメモを、ドラマの流れに沿って書いて行きます。例えばBGMがどのセリフの位置から入って、どこで終わるか。効果音(SE)をどこに入れるかなどを、見本の様に記入します。役者は演技に関するメモを書くスペースとして利用します。

2.登場人物の名前
名前だけ目立つ様に、セリフの上へ出します。セリフの中へ名前が埋まっていると、読み飛ばしたり、自分のセリフが来ても気づかなかった・・・という不具合が起きることがあります。

3.セリフの文字
1行に入れる文字数は、あまり多くしてはいけません。多いと目で追いかけていけなくなります。また文字の大きさも、あまり小さくすると読み間違いの元。ちょっと大きめだなあ・・・と思うぐらいがちょうどいいと思いますよ。文字は、はっきりくっきりが大切。出演者が演技に集中できる様にしてあげましょう。

4.行間
行間には文字を書き込めるぐらいの距離を取りましょう。書式見本に赤文字で書いてある様に、声優はセリフの変更、追加、ふりがな、読み方の注意・・・など、色々な情報を脚本に書き込んでおく必要があります。行間が狭くて書けないと、該当するセリフから離れた場所にメモすることになるため、視認性が非常に悪くなってしまいます。

5.ページ番号
必要なことはわかっているけど、ついつい入れ忘れてしまうのがページ番号です。入れてください。演出家が指示できなくなっちゃいますよ。

と言うことで、脚本の書式について簡単に説明しました。今回紹介したのは縦書きの脚本でしたが、横書きでも別に構いません。左側から順に「空き」→「名前」→「セリフ」と書けばOKです。ただ、B5の縦置きで横書き脚本を作ると、1行に入れられるセリフの文字数が、かなり少なくなってしまうので、A4サイズを使った方が見やすいかもしれません。

また、書き込みスペースを重視し過ぎて、1ページあたりのセリフ数が、少なくなりすぎるのは逆に問題です。しょっちゅうページをめくらなければならないので、これも使いにくいと思います。最終的にはトライアンドエラーで、いろいろやってみて、ベストな書式を作り出してください。

※ご紹介した書式見本をご覧になりたい方は「ここ」からゲットしてください。ワードの文書になっています。 ということで、また次回。

↑ PAGE TOP