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第4回:脚本の書き方(その2)

脚本の書き方「その2」は内容に目を向けて、「やらない方がいいこと」を集めてみました。もともとオーディオドラマは、表現の自由さが最大の特長なので、どんなことをやってもいいんです。でもちょっと注意するだけで、仕上がりがずいぶんと違ってきますよ。脚本を書く参考としてお読みください。

■登場人物を増やさない。
どうせ作るなら大作で行こう!登場人物30名!・・・。ちょっとお待ちください。大物狙いの気持ちはわかるんですが、映像がある映画やテレビと異なり、オーディオドラマは声だけで登場人物を判断しなければなりません。登場人物を可能な限り少なくするのが、オーディオドラマの定石です。少ない登場人物にセリフを集中させた方が、ストーリーが明解になります。

■長編にしない。
どうせ作るなら大作で行こう!総長10時間!・・・。これもちょっとお待ちください。オーディオドラマを「聞く」行為って、実はかなり集中力を要するんですよ。セリフだけを聞き取って理解する・・・。ちょっと聞き逃してもストーリーがわからなくなってしまいますから、じ~っと集中して聞くことになります。これって、かなりシンドイ作業なんですわ。ですからよほど面白くなければ(失礼!)、1時間はめっちゃ苦しい。30分でもかなり長く感じます。1話あたり15分以下に納めるのがベストです。

■単調にしない。
登場人物が入れ替わり立ち替わり、セリフが延々と続くが、バックにず~っと音楽がかかっているだけ・・・。これではストーリー展開が非常に単調になります。私が編集するときに気をつけるのは、できるだけシーンに変化を付けて、リスナーを飽きささないことです。例えば、音楽をただかけるのではなく、途中で盛り上げてみたり、別の曲とクロスさせたり。場合によっては、途中でいきなりぶった切ることもあります。各シーンに最適な『リズム』を作り出すことが重要です。

■複雑なストーリーにしない。
オーディオドラマは、音だけでストーリーが進みます。もともと情報量が少ない表現手法ですから、あまり複雑なストーリーにすると、わけがわからなくなる危険性があります。先に述べた登場人物と同じで、シンプルが一番です。また、回想シーンや心の中のセリフを多用すると、時間の経過が混乱することがありますので気をつけましょう。

■エッチシーン
エッチなシーンは、特殊な演出意図がなければお止めになった方が無難です。例えば、ベッドの上で会話するカップルなんてシーンがあったとします。そこで、彼氏が彼女のどこかを触って、彼女が「いやぁん、だめ~」とか言ったとしましょう。テレビなら見ていても別に何ともないですよね?ところがオーディオドラマでは、「いやぁん、だめ~」がエッチ度100%に跳ね上がります。音だけの世界では、イメージが極端に膨らみますので、安易にエッチシーンを挿入すると、いきなりアダルトビデオみたいになってしまいますよ。また、息を切らしている女性(走ったり、深呼吸したり)なども、聞き様によっては危なくなるので注意しなければなりません。

■テレビを意識しすぎない。
オーディオドラマを初めて作る時、みなさんが陥りやすい間違いは、テレビから映像を取り去ったものがオーディオドラマだと考えてしまうことです。確かにテレビは映像+音声+音楽+効果音から成り立っていますから、映像以外の要素はオーディオドラマと同じです。しかしテレビは映像が全てですから、動きに対する音を省略できません。一方、オーディオドラマは人間の作り出すイメージが主体ですから、不要なものなら、どんどん省略できます。否、省略しないとじゃまになることさえありますから、思い切って省略してしまいましょう。ここが腕の見せ所・・・いや、聞かせ所です。

サンプル

サンプルを聞いてみてください。いかにも映像を意識しているって感じしませんか?カップを持ったなら、置くはずだ・・・ということで、カップを置く音がやたらと入っていますが、ちょっとじゃまですよね?このシーンは飲み物を飲んでいることが重要なわけではないので、最初にお茶が出されたことがわかれば、カップを置く効果音は全部省略しても問題ありません。あっても無くても影響を及ぼさないものはカットする・・・というのが、大きなポイントです。

ということで、また次回。

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