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第5回:ノイズの無い録音をするには

前回の誰も語らなかったサウンド技術第1回で、パソコンの端子にマイクを直接つないでノイズが発生する場合は、もう手の打ちようが無いので諦めましょう!・・・と書きました。それを読んで悲しい思いをされた方が、たくさんいらっしゃったみたいですねぇ。そこで今回は、そうした場合でもノイズが少なくなるかもしれない・・・という方法をご紹介します。

■なぜノイズが発生するのか?
色々な原因が考えられますが、マイクアンプの「増幅」に起因する場合が多いと思います。・・・なんて書いても、何のことかわかりませんよね。マイクから出てくる信号は、非常に微弱なのでそのままでは使えません。マイクアンプと呼ばれる回路を通して、何百倍にか増幅してやる必要があります。そのため、マイク信号にわずかでもノイズが混入していると、そのノイズも一緒に何百倍にも増幅されてしまいます。その結果、ノイズがはっきり聞こえてしまうわけです。(マイクアンプ回路は、パソコンのメインボードに予め組み込まれています。)

■どうやってノイズを抑えるか?
何百倍にも増幅されるから聞こえると言うなら、増幅しなければノイズは聞こえにくくなる・・・ということはわかりますよね?そのためには、マイク入力ではなく、ライン入力を使います。パソコンのサウンド入力は、マイクとラインに切り替えられます。マイクとラインの入力端子が別れている機種もありますし、共通になっている機種もあります。とにかく、入力をラインに切り替えて、ライン端子からマイクの音を入力するんですよ。

「何無茶なこと言ってんだ?」「つないでも音がしないよ!」・・・そうですよねぇ。そう思いますよねぇ。まあまあ、焦らずにもうちょっと聞いてください。ライン端子というのは、CDとかMDとかの音を取り込むためにあります。ここを流れる信号は、マイク信号よりはるかに大きな電流です。そのままでも処理ができるので、ラインへ端子へ入力される信号はマイクアンプを通過しません。増幅されないので、ノイズも大きくなりません。

でも、マイクを直接つないでも音は入りませんよ。マイク信号はどこかでライン信号レベルまで増幅しておく必要がありますが、ノイズの塊みたいなパソコンの中で増幅しない様にすること・・・。それが今回のポイントです。

■どうやって?
どこでマイク信号を増幅するか?次の機器にマイクをつなぎ、そこから出力される信号を、パソコンのライン入力端子へつないでください。(適当な変換ケーブルが必要です。)マイクをつないだだけで音声が出力される機種、録音(録画)モードでポーズ状態にする機種、モニターモードに切り替える機種などいろいろありますので、詳しくはマニュアルでご確認ください。

1.マイク入力端子があるラジカセ
2.マイク入力端子があって、録音機能があるMD録音・プレイヤー
3.ビデオカメラ(外部マイクがつなげればさらにグッド)

特に、2と3には自動録音レベルコントロール機能が付いていますので、オーバーレベルを押さえながら録音ができて便利です。

【注意!】
ヘッドフォンなど、音量を可変できる端子からパソコンへつなぐ場合は、出力する音量に注意してください。大きな音でパソコンへ入力し続けると、過電流によって内部回路が焼き切れる危険性があります。最初は小さな音で様子を見ながら、徐々に上げてください。

■さらに・・・。
デジタルビデオカメラがあれば、パソコンのサウンド入力端子を経由せずに取り込めます。デジタルビデオのDV端子とパソコンのIEEE端子をつなぐと、画像と音声を転送できます。(DVデータに対応したムービー編集ソフトが必要。)そして、ムービー編集ソフトを使って、音声だけを取り出せばOK。16bit,48kHz,ステレオファイルになります。デジタルなので、音質劣化は起こりませんし、ノイズは全く混入しません。カメラにはマイクが内蔵されていますから、ついでにそのマイクを使って録音しちゃう・・・というのもアリかもしれません。

今回の方法でしも成功するとは限りませんが、ノイズでお困りの方は一度試してみて損はないと思います。でもこれだけはお忘れなく。何が起きても自己責任ですよ。

ということで、また次回。

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