ほとんどの原稿はワードやエクセルを使って書かれています。最初からデジタルデータになっているんだから、ナレーターや声優はそれをタブレットやスマホのディスプレイに表示して読んでいるんだろうな。・・・と、思ったりしたことありませんか?その方が何かと便利な気がしますよね?ペーパーレスにもなって自然に優しいですよね? まぁ、理想はそうなんですが 実際の収録現場では紙に印刷した原稿を使うことが圧倒的です。たまにテレビ並みサイズのディスプレイに原稿を表示して収録することもあるみたいですが、そういうことをしている方はごく少数派なのではないかと。それはなぜでしょう? 原稿には書き込みが必要だから 出演者は原稿を受け取ってから収録までの間に、内容のチェックをします。読み方がわからない言葉、読みにくい言葉、区切りがわからない言葉、アクセントの位置、お客様からの演出指示、などなどを原稿に直接書き込んで忘れないようにしています。この作業がディスプレイでは相当やりにくいんですよ。必要な時にサササとペンですぐ書き込めるのが最高に便利なのです。 簡単に検索できて視認性が高い 収録の現場でも紙の原稿は圧倒的に便利です。検索性と視認性が高いんですよ。ちょこっと印を付けておけば、パラパラパラパラめくるだけで、該当箇所をすぐ見つけることができます。これがタブレットのディスプレイなどですと、探す文字を打ち込まないといけないのでモタモタするかも。効率的に録音を進めたいなら、やっぱり原稿は紙でなくてはなりません。 ディスプレイの光は目に突き刺さる ご承知の通りディスプレイは自分で光りを出します。なので画面をずーっと見ていると、目がショボショボしてきて疲れてしまうんです。(もしかしたらアタシだけ?それはトシのせい?)やっぱり長時間に渡って原稿を読み続ける場合は、紙の方が断然目に優しいと思います。 いいことばかりではないのだ。紙には弱点もあるんだぜ。 印刷しないといけない 原稿データはメール添付で出演者へ届けるのですが、このデータを出演者が自分で印刷することになります。なので声優やナレーターの方は、プリンターやコンビニプリントなど、データを印刷する手段を準備しておかなければなりません。 重い 数枚の紙なんかほとんど重さを感じることはないと思いますが、声優ナレーターの印刷原稿の量と重さは、時としてみなさんの想像をはるかに超えることがあります。これは小耳に挟んだ話ですが、売れっ子の声優さんともなりますと一日に何本も仕事が入っているので、山のような原稿をキャリアに積んで運んでいるらしいです。それはそれで過酷ですなぁ。しかしどんなに重くてもやっぱり原稿は紙なのですよね。 結論:どう考えてもペーパーレス化は無理ですな さてここからは ナレーション声優スタジオのお話になるんですが、 先程から「原稿はやっぱり紙だぜ!」ということで書き進めてきましたが、最近はパソコンやプリンターを持っていない登録者も出てきました。事務局から印刷原稿を郵送する時間が必要になるので、短納期の案件だとお願いしにくくなっちゃいますよね。何か良い方法がないかちょっと考え中なのです。 ちなみに原稿量が相当ある場合は、お客様から印刷原稿を支給していただいています。私どもって民生用のひ弱なインクジェットプリンターしかないので、何百ページも印刷するのは厳しすぎるのです。申し訳ありませんがご理解ご協力をお願いします。
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