「困ったお問い合わせ」と、お客様に大変失礼なタイトルではありますが、日々業務を行っている中で「う~ん」と悩むことは結構あります。今回はちょっとその例をご紹介してみようと思います。 6000文字のナレーションはいくらですか? ウチは文字数がベースなので文字数だけ伝えれば見積もりができると思われているのかもしれませんが、そう簡単には参りません。 「出演者は何名ですか?」「声優ですかナレーターですか」「スタジオ録音ですか宅録ですか」「スタジオ録音ならマスタリングは必要ですか」「映像同期収録は必要ですか」「用途は何ですか」 などなど、お見積りに必要な情報が不足していますので、お客様への確認が必要になります。 10分の映像に入れるナレーションはいくらでしょうか 当方は文字数がベースでお見積もりします。だから文字数が不明だとお見積りできません・・・と、ホームページのあちこちに何回も書いてあるはずなのですが、ナレーションの時間数(長さ)だけでお問いわせをいただくことがあります。まぁ、ナレーションの分数なら経験値から文字数換算を行って、概算のお見積もりは作れるのですが、問題は「映像に入れるナレーションで、しかも映像の長さだけ指定された」場合です。 映像にどんな密度でナレーションが入るのかで文字数が全く違ってきます。映像の最初から最後まで隙間なくナレーションが入る作品もあれば、要所要所だけ短いナレーションが入る作品もあるでしょう。なので映像の分数だけですと概算のお見積りすら作れません。どうしてもという場合は、最大値を採りますので、ビッチリと淀みなく読んだ場合の文字数で計算します。結果として見積はお高めになってしまいますがご承知おきを。 声優3名、原稿6000文字、スタジオ録音ならいくらですか? 最低これくらいの情報があればお見積りは可能です。もちろんまだ情報は不足しておりますが、不足している部分は当方が適当に最良(最安)と考える条件を設定して提示します。ただ一点だけ判断に迷うのが、「3名の合計で6000文字」なのか「一人6000文字 合計18000文字」なのかです。ほとんどの場合は前者ですが、後者もあり得ますので確認が必要になることがあります。 明るく元気な候補を何人か提案してください 声の好みというのは非常に曖昧で人によって様々です。当方が「技術的に優れている」「この人なら間違いない」と思ってご提案しても、お客様のイメージに合わないものは合わないので却下されることがあります。お客様が自らボイサンを聞いてお選びになるのが確実かと。 それに候補者を立てるということは、候補者がその仕事に対応できるスケジュール的な空きがあることも重要です。推薦しておきながら日程が合わないなんてことは許されませんからスケジュールの仮押さえも必要になります。 しかしこういうお問い合わせに限ってお客様側の検討に時間がかかるのが通常です。数日で結論のお返事をいただければまだしも、数週間とか一ヶ月先などではもう仮押さえは無理です。出演者が確定したのはいいけど、納期的に対応できないから別の人に変更していただくという事態が起きかねません。 という理由により出演者を提案することはお断りするようにしています。ただし「納期に間に合うなら誰でもいい」ということならいつでもお申し付けください。すぐ手配いたします。 原稿を用意するので、それでボイスサンプルを作ってください このご要求はよくあるのですが、個別のサンプルはお作りしておりません。ホームページで公開しているサンプルでご検討ください。お客様としては、「サンプルぐらいサービスで作ってよ」という雰囲気で、その気持ちはある程度理解できるのですが、仕事として人が動く以上は必ず何らかの費用が発生いたします。それをお客様にご負担いただくのも難しいかと思われますのでご理解ください。 後日リテイクありきの見積ください 「後で必ず修正が入る予定なので、見積にはリテイクも含めてほしい」という依頼です。納品後のリテイクとか修正は、その度合や文字数によって金額が大幅に変わりますので、修正箇所が不明の見積もり段階では金額をお示しできません。最悪の場合は全体読み直しってこともありますものね。ですから一応の考え方だけお伝えしておくに留めて、リテイクが発生したときにお見積もりさせていただくようにしています。 経験が浅くてもいいので、安い人をお願いします 「経験がない→安いだろう」ということですかね。経験が浅いメンバーはたしかにおりますが、しかしだからと言って料金が安くなるわけではありません。メンバーを採用する際には、仕事としてギャラをいただける実力があるかどうかを確認して登録します。採用条件に経験の有無は関係ありませんので、経験が浅いから安い・・・とはなりません。実力のある者ばかりです。ご予算が極めで少ない場合は宅録の声優SOHOをご検討ください。当方の商品にそれより安く提供しているものはありませんので。 最安値を出してください 私どもには最安値という概念がないので、どんなご依頼であってもとりあえず通常のお見積りを出して、それからご相談ということになります。ご予算が合わなければ具体的に金額を言っていただき、その金額で受けられるかどうか検討してお返事する・・・という流れです。そもそも最安値と言われましても、どこらへんの金額をターゲットにすればいいのかわからないので検討のしようがありません。逆に最安値のイメージはお客様の方がお持ちでしょうから、最初から指値を提示していただいた方が話は早いかと思います。 まとめです 「困ったお問い合わせ」というタイトルで、いかにもお客様に非があるみたいな言い方になっちゃいましたが、当方のホームページにもちょっと問題があるのは承知しています。たぶん「サービスの種類が多くて違いがわからない」と「文字が多くて全部読んでいられない」ということなんじゃないでしょうかね。 ホームページを読めば答えは全部書いてある・・・みたいなポリシーで作ってあります。そのかわり情報が多くなっているのも事実ですが、ちゃんと説明しなければならない重要事項ばかりなので、可能な限り隅々まで読んでおいていただきたいというのもあります。 しかしそうは言っても「どうしても面倒で全部読めない」という方もいらっしゃると思います。そういう方はメールフォームを使ってお問い合わせください。メールフォームの各項目をちゃんと記入していただければ、見積に必要な情報はほとんどわかりますので、ある程度確度の高いお見積りができるかと思います。 お客様と当方とで誤解や思い込みなどで認識がずれたまま制作を進めてしまうと、大きなトラブルに発展することがあります。お手数とご面倒をおかけしますが、メールフォームからの送信にご協力ください。
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