パソコンでデジタル編集するなら、とにかく音声をパソコンへ取り込む必要があります。ところがこの最初の段階でつまずくんですね。パソコンの後ろに付いているマイク端子にマイクをつないで録音すると、音が悪いっていうか、ぶ~んとか、き~んとか、じゅるじゅるというノイズが混入することがあります。よく紹介されている対処方法に、アースを取るとか、逆相にするとか、ノイズフィルターを付けるとかがありますが、それで簡単にノイズが止まったという話はあまり聞きません。そこで私はそういう場合は、こうアドバイスします。「諦めましょう」って。 冷たいですねぇ。鬼のようですねぇ。しかしもともとパソコンというのは、ノイズ発生源の塊なんですよ。だからマイクみたいな微弱信号を扱うと、簡単にノイズが混入します。パソコンの入力端子・・・特にマイク入力はあくまでオマケの機能・・・「ま、一応できますよ。」みたいなものだと考えましょう。もし「そんなことない!オレのパソコンは綺麗な音で録音できるぞ。」という方がいらっしゃったら、あなたのパソコンは、最初からAV機能を考慮した設計がされていたか、たまたま最初からノイズが乗らない特性を備えた機種だったということです。 ところで、運悪くノイズが乗る機種を買ってしまったら、もうデジタル編集はできない!・・・という結論になって、このコーナーが終わってしまいますから、対策としてちょっとした装置をご紹介しましょう。音響機器メーカーにローランドって会社がありまして、ここがコンパクトなUSB入出力オーディオインタフェースUA-3Dを発売しています。きちんと調査してないので間違っているかもしれませんが、2万円以下で購入可能だったと記憶しています。私、この会社の回し者ではないのですが、同価格帯でマイク入力可能な製品が他に見あたらないもので・・・。 接続はUSB端子につないで、ドライバをインストールするだけ。こいつを導入すると、さんざん悩まされたノイズからあっさり解放されます。いや、ホント。ウソのように静かになります。しかし問題が無いわけではありません。ノイズこそありませんが、マイク入力の音質はちと劣る。(私がいつも仕事で聞いている音と比較するとってことですよ。)それに入力レベルをブースト(元の信号より大きくすること)ができません。ダイナミックマイクの様にゲインの低いマイクを使うと、ボリュームを最大にしても小さな音に録音されることがあります。少し取り扱いに注意が必要ですが、パソコン付属の入力端子とは比べものにならない高音質の入出力装置が、低価格で簡単に手に入るところが魅力です。 マイク入力の他にMDやCDなどをラインでも入力できますから、音声だけでなく、音楽や効果音もデジタル化することで、オーディオドラマやデモ制作などに最適。本体では1本しかマイクが使えませんが、マイクの数を増やしたくなったら、安いアナログミキサーを買って、本機をA/D変換器として使えばいいでしょう。 まあですね、高いお金で買ったパソコンだから、最初から付いている機能で済めばラッキー!みたいな気持ちになるのは理解できます。しかしもしあなたがちゃんとドラマを作りたいとか、ある程度良い音で自分のデモを作りたいという目的があるなら、この追加投資はかなり大きな価値があると思いますよ。 ということで、また次回。 |