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第022回『声優オーディション その1』

今回はネット声優スタジオのオーディションを開催した時に、ちょっと気になったことをお話ししましょう。ネット声優スタジオのオーディションは、一次が書類とテープ審査で、二次で面接と実技審査をやっています。「気になった」のは、一次審査で送られて来るデモテープの内容です。

■音質に関して
音質が悪いという理由だけで不合格にしたことは、あまり無いんですが・・・それにしても、「どうにかなんないか?」みたいなデモが多いですね。いくつか例を上げてみましょう。
・音がオーバーレベルで割れている。メータの0dbに張り付いて降りてこない。
・マイクに近すぎるのか、近接効果で音がコモって鼻声になっている。
・広い会議室で録音したのか反響音が大きく、声が聞き取りにくい。
・片方のチャンネルだけしか音が入っていない。
・声がものすごく小さくて、何を話しているのかわからない。
・ノイズがかなり大きくて、声が聞き取れない。
・カセットテープのヒスノイズに埋もれるほど声が小さい。

などなど、書き出せば切りがありません。録音した後にチェックして、これじゃまずいと思わないのかなあ?こういうデモを送って来られると、本当に合格したいのだろうか?・・・と、疑ってしまうこともあります。もっとも声優の方は録音に関して素人ですし、機材を揃えていないことも承知しています。ですからある程度音が悪いのはしょうがないと思いますが、最低でも当方が良し悪しの判断をすることができるレベルで応募していただきたいものです。

■キャラクター
テープ審査の課題に「キャラクター声」というのがあります。自分が得意なキャラクターを設定して、そのキャラでセリフをしゃべってください・・・と言うものです。例えば少女・少年・青年・女性・おじいちゃん、おばあさん・・・などになります。がしかしですね、中には、最初から最後まで「おりゃぁ!」「たああああ」「とりゃあああ」みたいな、闘っている掛け声だけで押し通してきた御仁もおられました。そういうアニメが大好きなんでしょうけど、オーディションではいかがなものかと。当方が聞いても、良し悪しがさっぱりわかりませんので、こういうデモはおやめ下さい。

■朗読とナレーション
課題の最後に「ナレーション」をお願いしていますが、かなりの人が「朗読」と勘違いしています。文芸作品を情緒豊かに読み上げられても、困っちゃうんですわ。それに養成所でテキストとして使っているのか、【蜘蛛の糸】を読まれる方がなぜか多いんでよねぇ。規定時間の2分を過ぎても、朗々と・・・。ましてや【ういろう売り】は問題外。はっきり申し上げて当方の場合、文芸作品を朗読する仕事はほとんどありません。当方が必要としているのは、「対象となるものを相手に伝える」ためのナレーション技術です。そこんとこを間違えないでくださいね。

とまあ、いろいろ書きましたが、実は久しぶりにオーディションを開催します。年内最後の募集になりますが、10月下旬締切の予定です。また今回から郵送だけではなく、インターネットを使った応募も可能になりましたので、お友達にも紹介してくださいね。正式なアナウンスは今月中旬ごろ。そして掲記の点にはくれぐれもご注意を。

ということで、また次回。

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