原稿が完成した。出演者も決まった。見積額もOKだった。収録日が確定した。この後はいよいよナレーションを実際にレコーディングする段階になります。 スタジオに集合 収録当日はスタジオに関係者が集合します。関係者と言ってもいろいろありまして。制作会社さん(ご担当、演出家、脚本家。時として作曲家。)。その制作会社さんに依頼した最終的なクライアント様。私どもからはナレーターとエンジニア。などなど。もちろんこれらの方々全員が必ず集まるというわけではなく、必要な方だけが収録に立ち会いされます。 ※収録日より前にスタジオ見学や、事前の打ち合わせを希望されるお客様もいらっしゃいますが、ナレーション声優スタジオではお受けしておりません。 ちなみに 録音はお宅にお任せしますわ というケースもかなりありまして、この場合はナレーターや声優と、録音エンジニアだけになります。 え・・・お客さんの立ち会い無いんですか? 立ち会いがないことがわかった途端にバックヤードがちょっとざわつきます。「なんで?気楽に録音できていいじゃん。」と思ったあなた。チッチッチッ、わかってないですなぁ。 収録現場はリテイクとの闘いなのです。収録に於いて、編集に於いて、納品した後に於いて、あらゆる場面でリテイクが発生する可能性があります。それを如何にして抑えるかがキモとなるのです。理由はズバリ費用なのです。ま、リテイクについてはまた別の機会に語ろうと思ってます。 現場にお客様がいないということは、全ての判断をナレーターとエンジニアがすることになります。これが緊張する原因なのです。読みの速度は?雰囲気は?この地名はなんて読む?この社名のアクセントはどこ?などなど。アクセント辞典でしらべても載ってない言葉って結構あるんですよ。速度や雰囲気はナレーター任せにできるんですが、言葉についてはお客様に確認しないとわからないことが多いんです。こちらで判断しても納品後にトラブルになる可能性があります。 そういうことにならないように様々な対策をするのですが、長くなるので詳しいことはこれまた別の機会にってことで。 で、結論としては・・・・ お客様ぁー、収録には立ち会ってくださーい! です。 顔合わせと打ち合わせ 前段がやたらと長くなってしましましたが、とにかくスタジオに集まって最初に軽く打ち合わせを行います。ここでガッツリ綿密な打ち合わせをする事業者さんもありますが、私どもの場合は収録日までに疑問点はほとんど確認済みなので、打ち合わせというかご挨拶と顔合わせになります。ナレーションや演技というのはイメージ的な要素が大きいので、やってみなけりゃわからないって感じです。なので、早々に収録に入ります。 テスト読み とりあえず読んでみて、読みの雰囲気や速度などをお客様に確認していただきます。エンジニアはこの間に機材の動作チェック、音量やマイクの距離感などを確認します。 本番 テスト読みが完了したら本番の収録に入ります。短い原稿なら一気に読みますが、ある程度長い原稿は適当に区切って読みます。区切って録音、お客様へ確認、問題があればリテイク。これを繰り返して最後まで収録します。 ここでちょっとご注意を。 ナレーターや声優は読むことに集中しているため、ちょっとした読み間違いをしても気づかないことがあります。エンジニアは音質やノイズや音量調整に集中しています。一応原稿を目で追ってはいますが、機器の操作をしながらチェックするのは難しいのです。 ということで 全集中でチェックできるのは、立ち会いをされているお客様だけなのです。 ご協力を宜しくお願いします。 通しチェック 全ての録音が終わったら最初から通して聴き直します。これが最終的なチェックとなり、不具合があればリテイクします。しかし短いものはこれでいいのですが、ボリユームがあるものは聴き直すのが困難。「それでは今から聴き直します。4時間かかります。」なんてのはあまり現実的ではないですよね。ケースバイケースではありますが、通しチェックしないで完了とすることもあります。 なのでますます・・・ お客様ぁー、収録中は全集中でチェックをお願いしますぅー! これで収録は完了です。 さてここからは ナレーション声優スタジオのお話になるんですが、掲記に記した内容はもちろん「絶対」ではありません。プロジェクトによってお客様のご要望は様々ですので、できるだけ柔軟に対応するようにしています。ただし標準録音の想定を超える時間がかかる(と思われる)収録になる場合、割増料金でお願いしています。 例えばですね、ものすごく細かい演出をして、何回もテイクを重ねて、その中から選びたい。とか。 そうなると500文字の原稿でも収録に数時間かかることがあり得ます。ちなみに私どものバリューボイスだと「500文字、35,200円(税込)」なんですが、これで数時間かかっちゃうとかなりキッツイなぁ・・・です。 なので誠に恐縮ではありますが、「割増料金録音」というのを設定しておりまして、そちらの料金でご検討いただくことになります。大抵のご要求にはお応えできますのでご理解の程宜しくお願いします。
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