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ファーストテイクがベストテイクかも

ナレーターや声優の演技に不具合があれば、その箇所をリテイクすることになります。大抵の場合は「読み間違い」に対するリテイクなのですが、「ニュアンス」や「雰囲気」のリテイクになりますと、「ちょっとそれはどうなのかな?」と感じることがあります。今回は明確な基準のあるお話ではないので、そういうこともあるのかな・・・ぐらいでお読みいただければと思います。

複数パターンのリテイク

ここ、何パターンかもらってもいいですか?

こういうご依頼って、結構あるんですが、結構困ります。

「なんとなく感じが違うので、いくつかもらっておこう。後で検討して決めればいいや。」ということなんですよね?もちろん出演者はご期待に応えるように努力しますけど、どいういうパターンがお望みなのかわからないまま演じます。たまたまその中にOKになりうるテイクがあればいいのですが、数撃ちゃ当たる方式はあまりお勧めできません。

ニュアンスや雰囲気の違和感を言葉で伝えるのは難しいかもしれませんが、「こういうパターンとこういうパターンがほしい」というように、簡単で結構ですからヒントをください。演じる方向性がほんのちょっとでも示されれば対応しやすくなります。。

あーでもなーい、こーでもなーい

あのぉ・・・どなたに決定権があるんでしょうか?

私どもでは収録の立ち会いをリモートで行っていますが、どこからでも立ち会えることもあって、相当な人数が参加されることがあります。録音が終わって「いかがですか?」と呼びかけた時に何か問題があったらしく・・・。収録の最中にリモート会議が始まってしまって、あーでもないこーでもないと議論百出。結論がまとまらず、誰に決定権があるのかもわからず、混沌とした状況に陥ることがあります。そういう時はたいてい単なるリテイクでは済まず原稿の変更も必要になってきますので、こちらでは手が出せません。ただただ結論が出るのお待ちするだけになります。

お見積り時に想定している収録時間を大幅に超えますと、追加料金的なご相談をしなければならなくなるかもしれません。原稿の内容に関してはご関係者のコンセンサスを事前に得ておくようにしてください。ナレーターやスタジオの無駄な待機時間や、無駄な費用が発生しないためにも、完全原稿で収録に臨まれることを切にお願い申し上げます。

拘りの演出

中にはものすごく演技に対する拘りをお持ちのお客様がいらっしゃいます。ご自分が完璧なイメージをお持ちで、それに合った演技でないとOKできない・・・みたいな。そう場合は何回もリテイクを繰り返すことになるかもしれません。

誤解されては困りますが「そんなの止めてくれ」ってことでは決してありません。お客様がきちんとしたイメージをお持ちであれば、方向性が明確でブレない演技が可能になります。ただちょっとお願いしたいのは、ナレーション声優スタジオのシステム上、ボイスサンプルだけで出演者を選定していただいていますので、ご希望にハマる演技になるかどうか、やってみなければわからない部分もあります。できればガチガチではなく、ある程度の幅を持った演出でお願いします。

そうしていただかないと、いつまでも収録が終わらなくないかも・・・です。(←経営上の希望)


さてここからは

ナレーション声優スタジオのお話になるんですが、

ファーストテイクがベストテイクかも です

一番最初のテイクが実は一番良かったということがよくあります。

出演者は事前に原稿を読んで資料を見て、ある程度の演技イメージを作っています。それがお客様のイメージと大きくかけ離れているということは、あまりないと思います。また出演者は、できるだけ無理をしないで読める声を当ててきます。最初に出した声が最も安定していますので、あまり大きく読み方を変更しないほうが安全です。

お客様がはっきりしたイメージをお持ちであれば、ある程度の演出は必要になるでしょう。そうした場合は「割増料金録音」を用意しております。特に拘りがないお客様は、読みは出演者に任せてしまって、読み間違いだけに注意を傾けていただいた方が良い結果が得られることでしょう。

ちなみに微妙なニュアンスを追求するあまり、何度も何度もリテイクを重ねると出演者がだんだん混乱してきます。その部分だけにとらわれてしまうと、全体の読みが破綻することがありますので、拘りもほどほどにお願いできればと。

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